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渾身を観たユーザーからのメッセージ
渾身
観たユーザーからのメッセージ

夕日の写真

― メッセージ4

普段余り映画館に足を運ばない友人からの連絡でこの映画に出会った。
多くの観客が感動して映画館を後にする時の空気は映画館でしか映画を観ない私にはわかる。
正にこの渾身という映画はそんな感動の空気に包まれた映画の一つだ。

友人はこんな映画ならまた映画館で観たくなる、とつぶやくと同時に多くの人にみせたいから・・・このままでは勿体ないからレビューに人生で初めて書き込んだと言っていた。
映画はこういう普段映画館に足を運んだことのない人たちの声をすくいあげるべきではないか、と思う。
このレビューでの感想は、一部大げさなものもあるかもしれないが概ね、当たっていると思う。
一つ星で厳しい意見もご愛嬌。
観客の感想は正直だと思う。

松竹という映画会社は時に不思議な映画を上映する。
映画「おくりびと」の時も同様、関係者の声をよそに配給、成果を上げた。
惜しまれるのは、渾身は我慢できなかった傾向にある。
噂を呼び、今私の周りでは渾身が観れないかとの声をきく。
東京家族と並び称される、もしくは年代的には客層が幅広いこの渾身という映画をもっとキチンと上映されていたら・・と思うと歯がゆい気もする。
しかしながら、全国でみた多くの観客の心に残ったのは間違いないと思う。
ブログで見つけたフレーズを転記してみる。

この映画の一番の見せ場は後半の還宮相撲のシーン。
もの凄い迫力あるシーンでありました。
相撲に興味がない私でも、手に汗を握る熱戦シーンに、目が釘付け。
日本の相撲ファンて、そんなに多いとは思えない。
野球やサッカーの方がやはり人気。
若い人の多くが飛びつく映画とも思えない。
評価される良作とは思うのですが、ヒットはしないという、惜しい映画がまたここにも・・・・。

映画ファンのブログの抜粋だが、若い観客も反応している。
本格的な映画としてこのまま廃れてはいけない、という思いからレビューへの書き込み運動は続くだろう。
考えられない現象ではあるが、この映画の持つ不思議な力だともいえる。

観客が映画館を後にする時の高揚感は、私的にはかなり高い映画だと思う。
映画関係者や作り手が、それが読めないなら、まだまだ子供だましの映画が全国公開されることになると思う。

― メッセージ5

渾身は必見の映画の一本だと思う。

この映画は、近年まれに見る”骨のある映画”だと思った。
映画は、こうでないといけないとスクリーンいっぱいに広がる世界を堪能させていただいた。
レンタルビデオやテレビでのロードショーでは味わえない映画独特の空気感を持った映画は久しぶりである。
好みはあろうが、現在のメジャー映画会社が作れない、”本物感”があふれた演出と本当に演技なのかと思えるほどの俳優陣の検討に思わず笑みがこぼれた。

高橋長英は言うまでもなく、笹野孝史や中村かつおなどのベテラン勢も良い。
甲本雅裕は脇役ながら燻し銀の光を放ち、財前直実がしっかりした演技で支えている。
財前はこんなにいい女優だったのか、と感心した。テレビドラマのイメージが強かっただけに、今後は映画にもどんどん出てほしいと思ってしまった。
そして、主演の二人と子役だが、実に素晴らしい!!!
伊藤歩は間違いなく今までの作品の中で最高作。
余計な演技が無く、台詞が少ない中うまく島の女を演じていたと思う。

そして青柳翔、素晴らしい。
今時の若者ではあるが、陰のある何かを背負った演技は秀逸だった。
モントリオールで、主演女優賞のプレゼンターに大抜擢されたというが末恐ろしい逸材だと思う。テレビドラマの枠にはまらず大きな俳優になってほしいとファンならずとも思うしだい。

それにしても。
この映画もっと話題になってもよさそうなものだが、案外早く終わってしまった感がある。
この映画を配給した松竹には拍手だが、最近低迷している松竹作品の中でも光を放つ作品だっただけに実に惜しい。うちの娘は10代だが渾身にはまってしまい、友人とリピーター化したのだからただの相撲映画ではない。

もっとスクリーンでみたかった、というのが正直な感想だ。
RAILWAYSも良かったけど迫力と本物感は渾身に軍配があがると思う。

― メッセージ6

近年稀にみる本格的な邦画であった。

原作小説はシンプルでさわやかな佳作である。
テレビ局が映画を作るのに異論はない。
ましてや公共の電波を使った洗脳のような宣伝も首をかしげるくらいしか庶民には出来ないのでどうこう口をはさむつもりもない。
ただ一言言わせていただくなら、松竹の大船の歴史を感じる作品をRAILWAYSとこの渾身という映画から感じたということである。
歌舞伎など日本の伝統を守り伝える老舗映画会社松竹が何故この映画を配給したのか。
大手の代理店やテレビ局などの資本の無いこの映画こそ松竹が撮るべき、配給すべき映画だとの思いでの公開ではなかったのか。
小津監督作品のような淡々とした描写の中に、現代らしい表現を49歳の電車の運転士になった男の物語の中に、渾身の中にみてとることができた。
何故この映画を強く押し出さなかったのか。
いや、この映画こそ松竹が作るべき映画ではないのか。
実に惜しい。

しかし、この映画はこれから大きな輝きを放つと思う。
映画が、まるでボロ雑巾のように消費される時代に無添加の良質な”作品”として必ず評価されるであろう。
素晴らしい相撲エンターテインメント映画である。

牛のイメージ写真
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