映画作品紹介映画作品紹介

渾身を観たユーザーからのメッセージ
渾身
観たユーザーからのメッセージ

夕日の写真

― メッセージ1
「 地域社会の中で家族の心が呼び合う再生の物語 」

戦後、60年以上経過した。日本は高度成長して、大きな復興を成し遂げた。それと同時に日本人は豊かで大きな自由を手に入れようとした。その自由は地域社会の束縛からの自由でもあり、家族からの自由でもあった。わずらわしいものからの解放である。むろんそれは日本人が自ら望み選択した道だった。しかし、その結果、地域社会は崩壊し、家族は核家族化し分離してきた。便利さや豊かさを手にした瞬間、自由を手に入れた瞬間、それは本当の幸せにたどり着いたといえるのだろうか。絆で結ばれた地域のコミュニティが失われていいのか、家族がばらばらでいいのか・・・。

もしも、人が他人を思いやり、助け合う地域、その昔ながらの地域社会がもしも今も存在していたとしたら・・・、その地域社会が未来に向けて強靭な力で歴史と伝統を守り続ける努力をしているとしたら・・・その地域社会で分断された家族が今また再生し、めぐり合うことができるとすれば・・・。

隠岐を舞台にして、このふれあいの地域社会の中で家族の心が呼び合って再生の物語が紡ぎだされる。
きわめて意図的に、確信をもって、地域と家族の未来に向けたメッセージを発信していく。したがって、これはメッセージ映画でもあり、夢を見ているかのようなファンタジー映画でもある。

泣かせどころは、少女の無邪気なしぐさや素直な感情だけではなく、この隠岐の人々の姿に、過去の日本人・すでにもう世を去ったおやじたちの世代を見ていることもある。私たちが時間をかけて失ったものの大きさに改めて感じるとともに、故郷を捨てて幸せをつかむしかなかった現代を生きる人生のやるせなさも胸に去来する。
20年ごとに催される相撲大会。その祭り空間に向って、人々の感情が交錯していく。地域の中で生きている喜びや地域の中で信頼関係を築くことの大切さをみんな感じており、土俵に力士にあらん限りの声援とたくさんの塩を振りまくことで感情を爆発させる村人たち。

3.11後、絆や思いやりなどの言葉があふれたり、さまざまな芸術表現やメッセージが発信されている。未来に向って日本人がどう生きていくのかを深く思索する人にとって、とても魅力的な作品になっている。錦織監督の真摯な製作姿勢と物語を語る能力の高さは安心してみていられる。

― メッセージ2
「 映画が大切にするもの 」

隠岐の古典相撲を舞台に、地元の人々と家族の絆が描かれていました。
日本人が古来より大切にしていた、形がないモノ、目に見えないモノ。
現代社会の真っ只中、都市部に暮らす僕らには、見失った美しさが、そこに、映っていたような気がします。

まったく私事ですが。
最近では、映画の仕事に加え、テレビの仕事に従事するようになりました。
「映画」と「テレビ」の違いは何なのか。
劇場や茶の間での観客・視聴者としてだけでなく、制作者として体感し、思いを日々巡らせています。

映画の現場では、キャメラの目前にある形あるモノ、それ以上の何か目に見えないものを撮っている。
そんな感覚がよくあります。
演じる役柄の気持ちだったり、美術の細部に宿る生活だったり。

まさに、この『渾身』が描こうとした大切なモノは、そのまま「映画」自体が大切にしようとしてること、そう見えました。

― メッセージ3
「 知らなかった日本の心の原点! 」

地球上の他のどこでもない、ここ日本に生まれたこと、そして自分のそばにある真の豊かさ、幸せとは?
美しい隠岐と古典相撲の映像は、ドキュメンタリーのようでもある。事実、多くの人が知らない貴重な記録でもあるが、ただ守るだけの伝統ではなく、日常の生活、精神、価値観に根づいた形で伝統が残っていることに驚く。それは、そこに住む人が当たり前のようにその土地を愛する気持ちが原点にあるような気がする。豊かな島があり、人々が集い、ともに幸せになる知恵があり、それを伝える繋がりがある。そこで描かれた、ひとつの家族の愛が少しずつ広がるストーリーに胸が熱くなった。

忘れていた日本の心(良さ)を実感した。
知らない日本を旅して幸せになった気分だ。

牛のイメージ写真
錦織良成監督の映画を見て、心が温かくなったかたへ。サポーター募集錦織良成監督の映画を見て、心が温かくなったかたへ。サポーター募集